ANOVA君/反復測定デザインにおける信頼区間 をテンプレートにして作成 - 井関龍太のページ
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ANOVA君/反復測定デザインにおける信頼区間
をテンプレートにして作成
開始行:
*&color(#6A5ACD){''反復測定の信頼区間の算出法''}; [#d438c...
最近の“新しい統計学”(Cumming, 2014)の潮流においては,効...
しかし,この信頼区間の算出についても,反復測定デザインに...
まず,独立測定の場合の単一の平均値の信頼区間は以下の式に...
#mathjax(margin-left: 5%; font-size: 120%)
\[
\hat{\mu} \pm t_{n-1, 1-\frac{a}{2}} \times \hat{\sigma}_...
\]
ここで,μは標本平均,tはt分布の臨界値,nはサンプルサイ...
平均値がひとつだけのときは上の式を使って計算すれば何の問...
ひとつは上の式(1)を使って,それぞれの平均値について信...
そして,もうひとつは,以下の式を使って平均の差についての...
\[
\hat{\mu}_1 - \hat{\mu}_2 \pm t_{n_1+n_2-2, 1-\frac{a}{2}...
\]
この式におけるσは平均値の差の標準誤差になっています。
この標準誤差はプールした誤差項に相当し,2つの群の母分散...
仮に母分散が等しかったとしても,AとBの方法の信頼区間は必...
Aの方法で2つの平均の信頼区間を計算し比較する場合,標準誤...
一方,Bの方法で差分の信頼区間を計算した場合には,標準誤差...
そこで,これらの値は常に以下の比の分だけずれることになり...
\[
\frac{\hat{\sigma}_{\hat{\mu}_1}+\hat{\sigma}_{\hat{\mu}_...
\]
このように,2つ以上の平均値を比較する目的で信頼区間を計...
反復測定デザインの場合,条件間の誤差は独立であるとは仮定...
相関が正の場合は標準誤差が小さくなり,負の場合には標準誤...
以下では,Baguley(2012)とFranz & Loftus(2012)をもとに...
**&color(#000080){Loftus-Massonの方法}; [#u9e11cc1]
このような問題への対処として考えられたのがLoftus & Masson...
これは,通常の標準誤差の代わりに,分散分析における誤差項...
以下は,式(1)のσ(標準誤差)に当たる部分のみを示したも...
\[
\hat{\sigma}_\hat{\mu}
= \sqrt{\frac{MSe}{n}}
= \sqrt{\frac{1}{n(n-1)}\sum_{i=1}^n{(y_{ij} - \bar{y}_{....
\]
ここで,MSeは分散分析における誤差の平均平方,nはこの効果...
この方法を用いることで,分散分析に対応した統計量に基づく...
また,反復測定デザインでは,誤差項のMSeからは被験者の効果...
Loftus-Massonの方法は,反復測定デザインのための信頼区間の...
そのひとつとして,条件を通してプールしたMSeを用いているこ...
この結果何が起こるかというと,Loftus-Massonの方法では,す...
この状況は,被験者×条件の交互作用が0であると仮定すること...
つまり,どの参加者にもすべての条件で同じだけの要因効果が...
また別の問題として,(3)の式は,一要因の被験者内計画の...
というのは,二要因以上の反復測定要因を含む計画では,反復...
一般によく用いられているやり方にしたがうなら,複数の反復...
これはストレートな方法ですが,この方法を使った場合,通常...
具体的には,大局的球面性が成り立つ場合の加算モデルに相当...
そこで,複数の要因の誤差項をプールしない代案も考えられま...
いずれか特定の要因のみを選び,その部分の誤差項を選ぶので...
たとえば,交互作用に関心のある研究なので,A×Bの交互作用の...
のちの研究者(Hollands & Jarmasz, 2010; Jarmasz & Holland...
\[
\sqrt{\frac{MSe_{R \times s}}{\frac{n \times L}{r}}}
\]
ここで,Rはその効果の信頼区間を評価しようとしている反復測...
Lは分析しようとしているデザインの含むすべての反復測定要因...
このようにすることで,効果の推定に関わるデータの数(観測...
この方法の場合,例えば,A要因の効果について信頼区間を評価...
A×Bの交互作用について考えるのであれば,RはA×Bになります。
特定の誤差項を選ぶ方法を用いた場合,どの効果を選ぶのが適...
また,上のいずれのバリエーションを用いたにしても,球面性...
球面性の仮定が成り立っているとすれば,水準や要因を通して...
この点に関しては,Loftus & Masson(1994)は,εによる修正...
ただし,複数の要因をプールした場合には,εによる修正はでき...
**&color(#000080){Cousineau-Moreyの方法}; [#i562d98e]
Loftus-Massonの方法に対して挙げられる批判はさまざまにあり...
そこで,Cousineau(2005)は,分散分析モデルにこだわらず,...
ここでいう正規化とは,ローデータ(素点)から各参加者の平...
これにより個人差の影響を減らすわけですが,これだけだと平...
式で表現すると以下のようになります。
\[
w_{ij}=y_{ij}-(\bar{y}_{i.}-\bar{y}_{..})
\]
ここで,yはローデータで,wは正規化後の得点です。
iは参加者の素点,jは水準の素点,..がついているのは大平均...
この得点wを(1)に投入することで信頼区間を計算します。
単一の水準のみに基づいて標準誤差を計算することで,誤差項...
一方で,個人差の効果は相殺されて条件の効果が強調されるよ...
ただし,正規化したデータには正の共分散が生じますが,信頼...
Morey(2008)は,この関係性を導出して修正のための係数を提...
この係数を加えた式が以下のものです。
\[
\hat{\mu} \pm t_{n-1, 1-\frac{a}{2}} \times \sqrt{\frac{L...
\]
ここで,Lはデザインに含まれるすべての反復測定要因の水準数...
先ほどの得点wをこの式(4)に投入して得られたものはCousi...
Cousineau-Moreyの方法では,Loftus-Massonとは異なり,条件...
**&color(#000080){マルチレベルモデルに基づく方法}; [#p3e9...
Blouin & Riopelle(2005)によれば,Loftus-Massonの方法に...
通常の分散分析では,要因効果は固定効果,被験者効果は変量...
これに対して,Loftus-Massonによる反復測定要因の信頼区間は...
もしこの議論の通りだとすれば,Loftus-Massonの方法による信...
(ただし,Franz & Loftus, 2012は,この議論はLoftus & Mass...
Blouin & Riopelle(2005)は,要因効果を固定効果,被験者効...
制限付き最尤推定法(REML法)を用いた場合,反復測度間に複...
さらに,マルチレベルモデルを使う場合,球面性を仮定しない...
このようにすれば,要因効果を固定効果,被験者効果を変量効...
Cousineau-Moreyの方法が分散分析モデルにこだわらないことで...
**&color(#000080){Goldstein-Healyプロット}; [#k0a72d6f]
ここまでは,信頼区間の算出法を直接的に扱ってきましたが,G...
信頼区間をグラフに表示して解釈する場合,平均値の信頼区間...
しかし,このことは2つの平均値を比較する場合には当てはま...
そして,当然ながら分散分析の場合にも当てはまらないことに...
これでは信頼区間を図示することによって統計的推論を補助す...
そこで,Goldstein & Healy(1995)は,2つの独立の平均の信...
Afshartous & Preston(2010)は,この方法を反復測定要因の...
**&color(#000080){Franz-Loftusの方法}; [#q372fbea]
Franz & Loftus(2012)は,Cousineau-Moreyの方法の提案を受...
正規化は,ある水準間の大きな差を他の水準間に分散させてし...
そこで,球面性に配慮し,Loftus & Masson(1994)のアプロー...
具体的には,反復測定要因のすべての水準から可能なペアを作...
この差分得点を式(3)に投入すれば,ペアワイズの信頼区間...
球面性の逸脱の問題に対処するためにペアワイズで統計量を計...
ただし,直感的にはやや理解しにくいプロットが得られる可能...
a1,a2,a3の3つの水準を持つ反復測定要因の場合,Franz-Lof...
このプロットについては,単純に3つの条件の平均値を比較す...
また,組み合わせ数が多くなりやすいという問題もあります。
例えば,4水準の反復測定要因ならペアワイズの信頼区間は6...
2要因以上の反復測定要因を含む計画の場合には,反復測定要...
例えば,3×5の被験者内計画であれば,15水準の一要因被験者...
この場合,組み合わせ数は105個になると思います。
一方で,Franz-Loftusの方法は,ペアワイズの多重比較と一致...
信頼区間を算出する際にt分布の臨界値を修正すれば,Bonferr...
これは上で紹介した他の方法では対応できない性質です(上記...
逆に,Franz-Loftusの方法は主効果や交互作用の評価には対応...
*&color(#6A5ACD){''どの方法を用いるか''}; [#cd2186fe]
反復測定要因の信頼区間を算出するための様々な方法を紹介し...
それでは,実際にはどの方法を使えばよいのでしょうか。
球面性の仮定の問題を考えれば,Loftus-Massonの方法をそのま...
Cousineau-Moreyの方法は,比較的簡単な計算方法によって,誤...
マルチレベルモデルは,より柔軟にモデルを組むことができる...
一方,分散分析を用いるときには,平均値の間に有意な差があ...
Goldstein-Healyプロットはこのような推論を容易にする点で有...
これらのことを鑑みて,Baguley(2012)は,以下の方式を進め...
それは,Cousineau-Moreyの方法にGoldstein-Healyプロットの...
具体的には,Cousineau-Moreyの信頼区間を差分についての信頼...
\[
\hat{\mu'} \pm \frac{\sqrt{2}}{2} \times t_{n-1, 1-\frac{...
\]
ここで,μ'とσ'は,Cousineau-Moreyの方法と同様に正規化を行...
平均値の差について解釈できるように調整されているので,こ...
>ANOVA君(version 4.5.0以降)では,このBaguleyの提案した...
>また,version 4.5.1以降では,反復測定デザインにおける信...
ただし,この正規化に基づく方法によっても球面性の逸脱の問...
Cousineau & O'Brien(2014)は,正規化に基づく信頼区間とと...
また,この信頼区間を妥当に用いるためのひとつの目安としてH...
球面性の仮定が成立しないと思われる場合には,マルチレベル...
さて,Baguley(2012)の推奨にはさらに発展版があります。
それは,Cousineau-Moreyの信頼区間に差分調整を行ったもの(...
この“二段プロット”により,ひとつの図について2通りの解釈...
内側のエラーバー(Cousineau-Morey-Bagyleyの信頼区間)から...
外側のエラーバー(マルチレベルモデルによる信頼区間)から...
もちろん,目的に応じてどちらか一方でもよいわけですが,両...
ただ,マルチレベルモデルに基づく信頼区間は理論的にも優れ...
推定のアルゴリズムによって計算結果が変わってきたり,分散...
Blouin & Riopelle(2005)は,SASのPROC MIXEDのLSMEANS関数...
>ANOVA君(version 4.5.1以降)では,マルチレベルモデルに基...
最後に,Franz-Loftusの方法には,正規化に基づく方法やマル...
直感的な理解のしにくさや組み合わせ数の増えやすさから考え...
多重比較に主な関心のある場合には,Franz-Loftusの信頼区間...
>ANOVA君(version 4.5.1以降)では,Franz-Loftusの方法によ...
4種類の信頼区間の特徴について簡単にまとめてみました。
|COLOR(NAVY):BGCOLOR(LIGHTBLUE):~種類|COLOR(NAVY):BGCOLOR...
|BGCOLOR(WHITE):Loftus-MassonのMSe信頼区間|BGCOLOR(WHITE)...
|BGCOLOR(WHITE):Cousineau-Moreyの正規化信頼区間|BGCOLOR(W...
|BGCOLOR(WHITE):マルチレベルモデル信頼区間|BGCOLOR(WHITE)...
|BGCOLOR(WHITE):Franz-Loftusのペアワイズ信頼区間|BGCOLOR(...
なお,信頼区間を図示する際にはどの方法に基づく信頼区間を...
一般に,エラーバーには,標準誤差,標準偏差,信頼区間のい...
いずれの指標を示しているのか,また,反復測定要因を含むデ...
*&color(#6A5ACD){''文献''}; [#c9eddafd]
Afshartous, D., & Preston, R. A. (2010). Confidence inter...
Baguley, T. (2012). Calculating and graphing within-subje...
Blouin, D. C., & Riopelle, A. J. (2005). On confidence in...
Cousineau, D. (2005). Confidence intervals in within-subj...
Cousineau, D., & O'Brien, F. (2014). Error bars in within...
Cumming, G. (2014). The new statistics: Why and how. '''P...
Cumming, G., & Finch, S. (2005). Inference by eye: Confid...
Franz, V. H., & Loftus, G. R. (2012). Standard errors and...
Goldstein, H., & Healy, M. J. R. (1995). The graphical pr...
Hollands, J. G., & Jarmasz, J. (2010). Revisiting confide...
Jarmasz, J., & Hollands, J. G. (2009). Confidence interva...
Loftus, G. R., & Masson, M. E. J. (1994). Using confidenc...
Morey, R. D. (2008). Confidence intervals from normalized...
O'Brien, F., & Cousineau, D. (2014). Representing error b...
終了行:
*&color(#6A5ACD){''反復測定の信頼区間の算出法''}; [#d438c...
最近の“新しい統計学”(Cumming, 2014)の潮流においては,効...
しかし,この信頼区間の算出についても,反復測定デザインに...
まず,独立測定の場合の単一の平均値の信頼区間は以下の式に...
#mathjax(margin-left: 5%; font-size: 120%)
\[
\hat{\mu} \pm t_{n-1, 1-\frac{a}{2}} \times \hat{\sigma}_...
\]
ここで,μは標本平均,tはt分布の臨界値,nはサンプルサイ...
平均値がひとつだけのときは上の式を使って計算すれば何の問...
ひとつは上の式(1)を使って,それぞれの平均値について信...
そして,もうひとつは,以下の式を使って平均の差についての...
\[
\hat{\mu}_1 - \hat{\mu}_2 \pm t_{n_1+n_2-2, 1-\frac{a}{2}...
\]
この式におけるσは平均値の差の標準誤差になっています。
この標準誤差はプールした誤差項に相当し,2つの群の母分散...
仮に母分散が等しかったとしても,AとBの方法の信頼区間は必...
Aの方法で2つの平均の信頼区間を計算し比較する場合,標準誤...
一方,Bの方法で差分の信頼区間を計算した場合には,標準誤差...
そこで,これらの値は常に以下の比の分だけずれることになり...
\[
\frac{\hat{\sigma}_{\hat{\mu}_1}+\hat{\sigma}_{\hat{\mu}_...
\]
このように,2つ以上の平均値を比較する目的で信頼区間を計...
反復測定デザインの場合,条件間の誤差は独立であるとは仮定...
相関が正の場合は標準誤差が小さくなり,負の場合には標準誤...
以下では,Baguley(2012)とFranz & Loftus(2012)をもとに...
**&color(#000080){Loftus-Massonの方法}; [#u9e11cc1]
このような問題への対処として考えられたのがLoftus & Masson...
これは,通常の標準誤差の代わりに,分散分析における誤差項...
以下は,式(1)のσ(標準誤差)に当たる部分のみを示したも...
\[
\hat{\sigma}_\hat{\mu}
= \sqrt{\frac{MSe}{n}}
= \sqrt{\frac{1}{n(n-1)}\sum_{i=1}^n{(y_{ij} - \bar{y}_{....
\]
ここで,MSeは分散分析における誤差の平均平方,nはこの効果...
この方法を用いることで,分散分析に対応した統計量に基づく...
また,反復測定デザインでは,誤差項のMSeからは被験者の効果...
Loftus-Massonの方法は,反復測定デザインのための信頼区間の...
そのひとつとして,条件を通してプールしたMSeを用いているこ...
この結果何が起こるかというと,Loftus-Massonの方法では,す...
この状況は,被験者×条件の交互作用が0であると仮定すること...
つまり,どの参加者にもすべての条件で同じだけの要因効果が...
また別の問題として,(3)の式は,一要因の被験者内計画の...
というのは,二要因以上の反復測定要因を含む計画では,反復...
一般によく用いられているやり方にしたがうなら,複数の反復...
これはストレートな方法ですが,この方法を使った場合,通常...
具体的には,大局的球面性が成り立つ場合の加算モデルに相当...
そこで,複数の要因の誤差項をプールしない代案も考えられま...
いずれか特定の要因のみを選び,その部分の誤差項を選ぶので...
たとえば,交互作用に関心のある研究なので,A×Bの交互作用の...
のちの研究者(Hollands & Jarmasz, 2010; Jarmasz & Holland...
\[
\sqrt{\frac{MSe_{R \times s}}{\frac{n \times L}{r}}}
\]
ここで,Rはその効果の信頼区間を評価しようとしている反復測...
Lは分析しようとしているデザインの含むすべての反復測定要因...
このようにすることで,効果の推定に関わるデータの数(観測...
この方法の場合,例えば,A要因の効果について信頼区間を評価...
A×Bの交互作用について考えるのであれば,RはA×Bになります。
特定の誤差項を選ぶ方法を用いた場合,どの効果を選ぶのが適...
また,上のいずれのバリエーションを用いたにしても,球面性...
球面性の仮定が成り立っているとすれば,水準や要因を通して...
この点に関しては,Loftus & Masson(1994)は,εによる修正...
ただし,複数の要因をプールした場合には,εによる修正はでき...
**&color(#000080){Cousineau-Moreyの方法}; [#i562d98e]
Loftus-Massonの方法に対して挙げられる批判はさまざまにあり...
そこで,Cousineau(2005)は,分散分析モデルにこだわらず,...
ここでいう正規化とは,ローデータ(素点)から各参加者の平...
これにより個人差の影響を減らすわけですが,これだけだと平...
式で表現すると以下のようになります。
\[
w_{ij}=y_{ij}-(\bar{y}_{i.}-\bar{y}_{..})
\]
ここで,yはローデータで,wは正規化後の得点です。
iは参加者の素点,jは水準の素点,..がついているのは大平均...
この得点wを(1)に投入することで信頼区間を計算します。
単一の水準のみに基づいて標準誤差を計算することで,誤差項...
一方で,個人差の効果は相殺されて条件の効果が強調されるよ...
ただし,正規化したデータには正の共分散が生じますが,信頼...
Morey(2008)は,この関係性を導出して修正のための係数を提...
この係数を加えた式が以下のものです。
\[
\hat{\mu} \pm t_{n-1, 1-\frac{a}{2}} \times \sqrt{\frac{L...
\]
ここで,Lはデザインに含まれるすべての反復測定要因の水準数...
先ほどの得点wをこの式(4)に投入して得られたものはCousi...
Cousineau-Moreyの方法では,Loftus-Massonとは異なり,条件...
**&color(#000080){マルチレベルモデルに基づく方法}; [#p3e9...
Blouin & Riopelle(2005)によれば,Loftus-Massonの方法に...
通常の分散分析では,要因効果は固定効果,被験者効果は変量...
これに対して,Loftus-Massonによる反復測定要因の信頼区間は...
もしこの議論の通りだとすれば,Loftus-Massonの方法による信...
(ただし,Franz & Loftus, 2012は,この議論はLoftus & Mass...
Blouin & Riopelle(2005)は,要因効果を固定効果,被験者効...
制限付き最尤推定法(REML法)を用いた場合,反復測度間に複...
さらに,マルチレベルモデルを使う場合,球面性を仮定しない...
このようにすれば,要因効果を固定効果,被験者効果を変量効...
Cousineau-Moreyの方法が分散分析モデルにこだわらないことで...
**&color(#000080){Goldstein-Healyプロット}; [#k0a72d6f]
ここまでは,信頼区間の算出法を直接的に扱ってきましたが,G...
信頼区間をグラフに表示して解釈する場合,平均値の信頼区間...
しかし,このことは2つの平均値を比較する場合には当てはま...
そして,当然ながら分散分析の場合にも当てはまらないことに...
これでは信頼区間を図示することによって統計的推論を補助す...
そこで,Goldstein & Healy(1995)は,2つの独立の平均の信...
Afshartous & Preston(2010)は,この方法を反復測定要因の...
**&color(#000080){Franz-Loftusの方法}; [#q372fbea]
Franz & Loftus(2012)は,Cousineau-Moreyの方法の提案を受...
正規化は,ある水準間の大きな差を他の水準間に分散させてし...
そこで,球面性に配慮し,Loftus & Masson(1994)のアプロー...
具体的には,反復測定要因のすべての水準から可能なペアを作...
この差分得点を式(3)に投入すれば,ペアワイズの信頼区間...
球面性の逸脱の問題に対処するためにペアワイズで統計量を計...
ただし,直感的にはやや理解しにくいプロットが得られる可能...
a1,a2,a3の3つの水準を持つ反復測定要因の場合,Franz-Lof...
このプロットについては,単純に3つの条件の平均値を比較す...
また,組み合わせ数が多くなりやすいという問題もあります。
例えば,4水準の反復測定要因ならペアワイズの信頼区間は6...
2要因以上の反復測定要因を含む計画の場合には,反復測定要...
例えば,3×5の被験者内計画であれば,15水準の一要因被験者...
この場合,組み合わせ数は105個になると思います。
一方で,Franz-Loftusの方法は,ペアワイズの多重比較と一致...
信頼区間を算出する際にt分布の臨界値を修正すれば,Bonferr...
これは上で紹介した他の方法では対応できない性質です(上記...
逆に,Franz-Loftusの方法は主効果や交互作用の評価には対応...
*&color(#6A5ACD){''どの方法を用いるか''}; [#cd2186fe]
反復測定要因の信頼区間を算出するための様々な方法を紹介し...
それでは,実際にはどの方法を使えばよいのでしょうか。
球面性の仮定の問題を考えれば,Loftus-Massonの方法をそのま...
Cousineau-Moreyの方法は,比較的簡単な計算方法によって,誤...
マルチレベルモデルは,より柔軟にモデルを組むことができる...
一方,分散分析を用いるときには,平均値の間に有意な差があ...
Goldstein-Healyプロットはこのような推論を容易にする点で有...
これらのことを鑑みて,Baguley(2012)は,以下の方式を進め...
それは,Cousineau-Moreyの方法にGoldstein-Healyプロットの...
具体的には,Cousineau-Moreyの信頼区間を差分についての信頼...
\[
\hat{\mu'} \pm \frac{\sqrt{2}}{2} \times t_{n-1, 1-\frac{...
\]
ここで,μ'とσ'は,Cousineau-Moreyの方法と同様に正規化を行...
平均値の差について解釈できるように調整されているので,こ...
>ANOVA君(version 4.5.0以降)では,このBaguleyの提案した...
>また,version 4.5.1以降では,反復測定デザインにおける信...
ただし,この正規化に基づく方法によっても球面性の逸脱の問...
Cousineau & O'Brien(2014)は,正規化に基づく信頼区間とと...
また,この信頼区間を妥当に用いるためのひとつの目安としてH...
球面性の仮定が成立しないと思われる場合には,マルチレベル...
さて,Baguley(2012)の推奨にはさらに発展版があります。
それは,Cousineau-Moreyの信頼区間に差分調整を行ったもの(...
この“二段プロット”により,ひとつの図について2通りの解釈...
内側のエラーバー(Cousineau-Morey-Bagyleyの信頼区間)から...
外側のエラーバー(マルチレベルモデルによる信頼区間)から...
もちろん,目的に応じてどちらか一方でもよいわけですが,両...
ただ,マルチレベルモデルに基づく信頼区間は理論的にも優れ...
推定のアルゴリズムによって計算結果が変わってきたり,分散...
Blouin & Riopelle(2005)は,SASのPROC MIXEDのLSMEANS関数...
>ANOVA君(version 4.5.1以降)では,マルチレベルモデルに基...
最後に,Franz-Loftusの方法には,正規化に基づく方法やマル...
直感的な理解のしにくさや組み合わせ数の増えやすさから考え...
多重比較に主な関心のある場合には,Franz-Loftusの信頼区間...
>ANOVA君(version 4.5.1以降)では,Franz-Loftusの方法によ...
4種類の信頼区間の特徴について簡単にまとめてみました。
|COLOR(NAVY):BGCOLOR(LIGHTBLUE):~種類|COLOR(NAVY):BGCOLOR...
|BGCOLOR(WHITE):Loftus-MassonのMSe信頼区間|BGCOLOR(WHITE)...
|BGCOLOR(WHITE):Cousineau-Moreyの正規化信頼区間|BGCOLOR(W...
|BGCOLOR(WHITE):マルチレベルモデル信頼区間|BGCOLOR(WHITE)...
|BGCOLOR(WHITE):Franz-Loftusのペアワイズ信頼区間|BGCOLOR(...
なお,信頼区間を図示する際にはどの方法に基づく信頼区間を...
一般に,エラーバーには,標準誤差,標準偏差,信頼区間のい...
いずれの指標を示しているのか,また,反復測定要因を含むデ...
*&color(#6A5ACD){''文献''}; [#c9eddafd]
Afshartous, D., & Preston, R. A. (2010). Confidence inter...
Baguley, T. (2012). Calculating and graphing within-subje...
Blouin, D. C., & Riopelle, A. J. (2005). On confidence in...
Cousineau, D. (2005). Confidence intervals in within-subj...
Cousineau, D., & O'Brien, F. (2014). Error bars in within...
Cumming, G. (2014). The new statistics: Why and how. '''P...
Cumming, G., & Finch, S. (2005). Inference by eye: Confid...
Franz, V. H., & Loftus, G. R. (2012). Standard errors and...
Goldstein, H., & Healy, M. J. R. (1995). The graphical pr...
Hollands, J. G., & Jarmasz, J. (2010). Revisiting confide...
Jarmasz, J., & Hollands, J. G. (2009). Confidence interva...
Loftus, G. R., & Masson, M. E. J. (1994). Using confidenc...
Morey, R. D. (2008). Confidence intervals from normalized...
O'Brien, F., & Cousineau, D. (2014). Representing error b...
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