ANOVA君/球面性検定の出力 をテンプレートにして作成 - 井関龍太のページ
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ANOVA君/球面性検定の出力
をテンプレートにして作成
開始行:
*&color(#6A5ACD){球面性の仮定とは}; [#s7917d69]
球面性の仮定は,被験者間計画の分散分析でいう分散の等質性...
これらは,&color(darkorchid){''複合対称性(compound symmet...
複合対称性とは,条件間で分散が等しいこと,条件群の任意の...
ただし,複合対称性はかなり厳しい基準で,実際のデータでは...
また,この仮定は分散分析を適切に行うための十分条件ではあ...
これに対して,&color(darkorchid){''球面性の仮定(spherici...
この球面性の仮定は,分散分析を適切に行うための必要十分条...
なぜこの仮定が満たされないと分散分析が適切に行えないのか...
一般に,母集団から無作為に抽出した変数の分布をn次元上に...
このとき,分布の広がり具合は,楕円の主軸(x軸,y軸,z...
わかりやすさのためにデータが3次元に分布するとして,x軸...
これに対して,すべての主軸の長さが等しくなれば,この楕円...
つまり,分布がどの方向に対しても等しければ,そのプロット...
一方,データの分布が次元によって異なれば,その分布を表す...
このように考えると,データのばらつき方が条件間で等しけれ...
もっと詳しく知りたい方は,[[千野先生のページ>http://www.c...
*&color(#6A5ACD){ANOVA君の球面性検定の仕様}; [#af4f07db]
[[ANOVA君]]では,バージョン2.0.0から,反復測定要因(被験...
ここでは,その仕様について簡単に述べたいと思います。
>このページでは,主にMauchlyの球面性検定を行った場合の出...
**&color(#000080){出力について}; [#gece7b78]
球面性検定とそれに関連する指標について出力します。
以下は,3×3の2要因被験者内計画の場合の出力例です。
<< SPHERICITY INDICES >>
== Mauchly's Sphericity Test and Epsilons ==
--------------------------------------------------------...
Effect W approx.Chi df p LB ...
--------------------------------------------------------...
Global 0.0004 47.8600 35 0.0723 + 0.1250 ...
A 0.7901 1.8845 2 0.3897 ns 0.5000 ...
B 0.9496 0.4137 2 0.8131 ns 0.5000 ...
AxB 0.0542 21.6225 9 0.0102 * 0.2500 ...
--------------------------------------------------------...
LB = lower.bound, GG = Greenhouse-Geis...
左から,効果の名前,W統計量,近似カイ二乗値,自由度,p値...
その後には,下限値,Greenhouse-Geisser,Huynh-Feldtの順に...
また,version 4.6.0からはChi-Mullerのイプシロンも併せて出...
W統計量,Greenhouse-Geisser,Huynh-Feldtは,いずれも球面...
1に近いほど球面性が成り立つ状態に近く,0に近いほどデー...
ANOVA君による球面性検定では,このうちのW統計量をカイ二乗...
Wの値が極端に低い(そのため近似カイ二乗値を計算できなかっ...
[1] NaN
警告メッセージ:
In log(x) : 計算結果が NaN になりました
このような場合,SPSSでは,単に「-」が表示されるようです。
このようなケースは,球面性から離れすぎていることを意味し...
上のような理由で警告が出た場合,球面性検定以外の結果には...
**&color(#000080){水準数が2の場合}; [#a63be60e]
反復測定要因の水準数が2である場合,常に球面性が成り立ち...
水準間の差がひとつしかないので,水準間の差の分散が水準の...
この場合,MauchlyのW,εの下限値,Greenhouse-Geisserのεは...
また,近似カイ二乗値と自由度は,計算上0と表示され,p値...
このような場合には,自由度の調整を行う必要はありません(...
ただし,計画が独立測度を含む場合(混合要因計画の場合)に...
これは,1段階多標本球面性検定(Mendozaの検定とHarrisの検...
**&color(#000080){複数の反復測定要因がある場合}; [#v227ee...
各反復測定要因の主効果と反復測定要因を含むすべての交互作...
また,一番上には「Global」として,大局的球面性検定の結果...
ただし,大局的球面性検定の計算結果については,SPSSでは出...
**&color(#000080){自由度の調整について}; [#kfaf8975]
球面性の仮定が成り立たないときには,ε(イプシロン)という...
ANOVA君では,オプションで選択すると,4つのεのいずれかの...
この調整は,各反復測定要因の効果について,分散分析のとき...
εは0~1の値を取り,0に近いほど球面性の仮定から離れてい...
そこで,εをかけることで,0に近いほどF検定に対して厳しい...
Huynh-Feldtのεは,計算上,1を超えることがあります。
このような場合,ANOVA君では,&color(darkorchid){''球面性...
(SPSSでは,1を超えた場合は,1に直して表示するようです...
1を超えた場合,球面性の仮定が破綻してはいなかった,とい...
そこで,ANOVA君でも,&color(darkorchid){''自由度の調整を...
なお,選択したオプションは,単純主効果の検定の際にも適用...
例えば,Greenhouse-Geisserのεによる調整を選択した場合,最...
**&color(#000080){Huynh-Feldtのイプシロンの計算式}; [#sfd...
Huynh & Feldt(1976)では,複数の反復測定要因があるときの...
>ε~=(Nrε^-2)/r(N-g-rε^)
ここで,N=被験者数,r=(たぶん)自由度(すべての被験者...
しかし,Lecoutre(1991)は,この式はgが2以上のとき(1...
>ε~=((N-g+1)rε^-2)/r(N-g-rε^)
そして,テキストや統計パッケージでも,上の誤った式が用い...
Lecoutre(1991)の論文はかなりコンパクトなもので,上の方...
しかし,このLecoutreの修正を紹介している文献では,“実はHu...
そこで,ANOVA君でも,version 4.2.0以降では,Huynh-Feldtの...
ちなみに,SPSS(25.0)の反復測定オプションでは,出力から...
Howell(2010)によると,“SPSSもSASもHuynh-Feldtのεの誤っ...
このため,ANOVA君(version 4.2.0以降)とSPSSで出力されるH...
もしかしたら,SPSSのより新しいバージョンではこの点は修正...
(SAS/STAT 9.22(2010)以降では“Huynh-Feldt-Lecoutre Epsi...
**&color(#000080){Chi-Mullerのイプシロンについて}; [#t515...
[[SAS/STAT(R) 9.22(2010年)>http://support.sas.com/docum...
Greenhouse-Geisserのεは球面性からの逸脱が小さい場合には修...
使い分けの目安としては,Greenhouse-Geisserのεが0.75以上の...
しかし,これは絶対的な基準ではありません。
また,同じ実験の中でGreenhouse-GeisserとHuynh-Feldtを使い...
これに対して,Chi-Mullerのεは,球面性からの逸脱度にかかわ...
逸脱度が大きいときにはより低い値に,小さいときにはより高...
シミュレーションの結果によれば,Chi-Mullerのεは他のεに比...
なお,Chi-Mullerのεは,Huynh-Feldtのεと同様に計算上は1を...
この場合,ANOVA君では,Huynh-Feldtと同じく,球面性の指標...
さらに,Chi-Mullerのεは,下限値よりも小さい値になることも...
この場合は,ANVOA君は球面性の指標としてもChi-Mullerのεを...
Chi-Mullerのεは計算上のつごうから水準数2の被験者内要因で...
このように,現状ではやや一貫性を欠く仕様となっているので...
**&color(#000080){参考文献}; [#h1d9294e]
千野直仁 (1993). 反復測度デザイン概説-その1-. 愛知学院...
千野直仁 (1994). 反復測度デザイン概説-その2-球形検定と...
千野直仁 (2020). 反復測定(度)分散分析/基礎と応用. http...
Howell, D. C. (2010). '''Statistical methods for psycholo...
Huynh, H., & Feldt, L. S. (1976). Estimation of the Box c...
Huynh, H. (1978). Some approximate tests for repeated mea...
Kirk, R. E. (1995). '''Experimental design: Procedures fo...
Kirk, R. E. (2013). '''Experimental design: Procedures fo...
Lecoutre, B. (1991). A correction for the e approximate t...
Winer, B. J., Brown, D. R., & Michels, K. M. (1991). '''S...
終了行:
*&color(#6A5ACD){球面性の仮定とは}; [#s7917d69]
球面性の仮定は,被験者間計画の分散分析でいう分散の等質性...
これらは,&color(darkorchid){''複合対称性(compound symmet...
複合対称性とは,条件間で分散が等しいこと,条件群の任意の...
ただし,複合対称性はかなり厳しい基準で,実際のデータでは...
また,この仮定は分散分析を適切に行うための十分条件ではあ...
これに対して,&color(darkorchid){''球面性の仮定(spherici...
この球面性の仮定は,分散分析を適切に行うための必要十分条...
なぜこの仮定が満たされないと分散分析が適切に行えないのか...
一般に,母集団から無作為に抽出した変数の分布をn次元上に...
このとき,分布の広がり具合は,楕円の主軸(x軸,y軸,z...
わかりやすさのためにデータが3次元に分布するとして,x軸...
これに対して,すべての主軸の長さが等しくなれば,この楕円...
つまり,分布がどの方向に対しても等しければ,そのプロット...
一方,データの分布が次元によって異なれば,その分布を表す...
このように考えると,データのばらつき方が条件間で等しけれ...
もっと詳しく知りたい方は,[[千野先生のページ>http://www.c...
*&color(#6A5ACD){ANOVA君の球面性検定の仕様}; [#af4f07db]
[[ANOVA君]]では,バージョン2.0.0から,反復測定要因(被験...
ここでは,その仕様について簡単に述べたいと思います。
>このページでは,主にMauchlyの球面性検定を行った場合の出...
**&color(#000080){出力について}; [#gece7b78]
球面性検定とそれに関連する指標について出力します。
以下は,3×3の2要因被験者内計画の場合の出力例です。
<< SPHERICITY INDICES >>
== Mauchly's Sphericity Test and Epsilons ==
--------------------------------------------------------...
Effect W approx.Chi df p LB ...
--------------------------------------------------------...
Global 0.0004 47.8600 35 0.0723 + 0.1250 ...
A 0.7901 1.8845 2 0.3897 ns 0.5000 ...
B 0.9496 0.4137 2 0.8131 ns 0.5000 ...
AxB 0.0542 21.6225 9 0.0102 * 0.2500 ...
--------------------------------------------------------...
LB = lower.bound, GG = Greenhouse-Geis...
左から,効果の名前,W統計量,近似カイ二乗値,自由度,p値...
その後には,下限値,Greenhouse-Geisser,Huynh-Feldtの順に...
また,version 4.6.0からはChi-Mullerのイプシロンも併せて出...
W統計量,Greenhouse-Geisser,Huynh-Feldtは,いずれも球面...
1に近いほど球面性が成り立つ状態に近く,0に近いほどデー...
ANOVA君による球面性検定では,このうちのW統計量をカイ二乗...
Wの値が極端に低い(そのため近似カイ二乗値を計算できなかっ...
[1] NaN
警告メッセージ:
In log(x) : 計算結果が NaN になりました
このような場合,SPSSでは,単に「-」が表示されるようです。
このようなケースは,球面性から離れすぎていることを意味し...
上のような理由で警告が出た場合,球面性検定以外の結果には...
**&color(#000080){水準数が2の場合}; [#a63be60e]
反復測定要因の水準数が2である場合,常に球面性が成り立ち...
水準間の差がひとつしかないので,水準間の差の分散が水準の...
この場合,MauchlyのW,εの下限値,Greenhouse-Geisserのεは...
また,近似カイ二乗値と自由度は,計算上0と表示され,p値...
このような場合には,自由度の調整を行う必要はありません(...
ただし,計画が独立測度を含む場合(混合要因計画の場合)に...
これは,1段階多標本球面性検定(Mendozaの検定とHarrisの検...
**&color(#000080){複数の反復測定要因がある場合}; [#v227ee...
各反復測定要因の主効果と反復測定要因を含むすべての交互作...
また,一番上には「Global」として,大局的球面性検定の結果...
ただし,大局的球面性検定の計算結果については,SPSSでは出...
**&color(#000080){自由度の調整について}; [#kfaf8975]
球面性の仮定が成り立たないときには,ε(イプシロン)という...
ANOVA君では,オプションで選択すると,4つのεのいずれかの...
この調整は,各反復測定要因の効果について,分散分析のとき...
εは0~1の値を取り,0に近いほど球面性の仮定から離れてい...
そこで,εをかけることで,0に近いほどF検定に対して厳しい...
Huynh-Feldtのεは,計算上,1を超えることがあります。
このような場合,ANOVA君では,&color(darkorchid){''球面性...
(SPSSでは,1を超えた場合は,1に直して表示するようです...
1を超えた場合,球面性の仮定が破綻してはいなかった,とい...
そこで,ANOVA君でも,&color(darkorchid){''自由度の調整を...
なお,選択したオプションは,単純主効果の検定の際にも適用...
例えば,Greenhouse-Geisserのεによる調整を選択した場合,最...
**&color(#000080){Huynh-Feldtのイプシロンの計算式}; [#sfd...
Huynh & Feldt(1976)では,複数の反復測定要因があるときの...
>ε~=(Nrε^-2)/r(N-g-rε^)
ここで,N=被験者数,r=(たぶん)自由度(すべての被験者...
しかし,Lecoutre(1991)は,この式はgが2以上のとき(1...
>ε~=((N-g+1)rε^-2)/r(N-g-rε^)
そして,テキストや統計パッケージでも,上の誤った式が用い...
Lecoutre(1991)の論文はかなりコンパクトなもので,上の方...
しかし,このLecoutreの修正を紹介している文献では,“実はHu...
そこで,ANOVA君でも,version 4.2.0以降では,Huynh-Feldtの...
ちなみに,SPSS(25.0)の反復測定オプションでは,出力から...
Howell(2010)によると,“SPSSもSASもHuynh-Feldtのεの誤っ...
このため,ANOVA君(version 4.2.0以降)とSPSSで出力されるH...
もしかしたら,SPSSのより新しいバージョンではこの点は修正...
(SAS/STAT 9.22(2010)以降では“Huynh-Feldt-Lecoutre Epsi...
**&color(#000080){Chi-Mullerのイプシロンについて}; [#t515...
[[SAS/STAT(R) 9.22(2010年)>http://support.sas.com/docum...
Greenhouse-Geisserのεは球面性からの逸脱が小さい場合には修...
使い分けの目安としては,Greenhouse-Geisserのεが0.75以上の...
しかし,これは絶対的な基準ではありません。
また,同じ実験の中でGreenhouse-GeisserとHuynh-Feldtを使い...
これに対して,Chi-Mullerのεは,球面性からの逸脱度にかかわ...
逸脱度が大きいときにはより低い値に,小さいときにはより高...
シミュレーションの結果によれば,Chi-Mullerのεは他のεに比...
なお,Chi-Mullerのεは,Huynh-Feldtのεと同様に計算上は1を...
この場合,ANOVA君では,Huynh-Feldtと同じく,球面性の指標...
さらに,Chi-Mullerのεは,下限値よりも小さい値になることも...
この場合は,ANVOA君は球面性の指標としてもChi-Mullerのεを...
Chi-Mullerのεは計算上のつごうから水準数2の被験者内要因で...
このように,現状ではやや一貫性を欠く仕様となっているので...
**&color(#000080){参考文献}; [#h1d9294e]
千野直仁 (1993). 反復測度デザイン概説-その1-. 愛知学院...
千野直仁 (1994). 反復測度デザイン概説-その2-球形検定と...
千野直仁 (2020). 反復測定(度)分散分析/基礎と応用. http...
Howell, D. C. (2010). '''Statistical methods for psycholo...
Huynh, H., & Feldt, L. S. (1976). Estimation of the Box c...
Huynh, H. (1978). Some approximate tests for repeated mea...
Kirk, R. E. (1995). '''Experimental design: Procedures fo...
Kirk, R. E. (2013). '''Experimental design: Procedures fo...
Lecoutre, B. (1991). A correction for the e approximate t...
Winer, B. J., Brown, D. R., & Michels, K. M. (1991). '''S...
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